2015年12月20日日曜日

アセアン(ASEAN)本部の写真 in ジャカルタ とMRT(地下鉄)工事


スナヤンの青年の像の近くを走っていて、気づいている方も多いかもしれませんが、その側にはアセアン(東南アジア諸国連合)の本部があります。上記の写真のオレンジの丸に鼓(つづみ)みたいなマークがアセアンのマークです。私もジャカルタに住むまで、そもそもアセアンの本部がジャカルタにあることを知りませんでしたが、考えてみれば東南アジア最大の人口を抱える都市、ジャカルタにあっても何の不思議も無いですね。

アセアンには現在、10ヶ国が加盟していますが、当然、日本は東南アジアには位置していないので加盟していません。現時点の加盟国は、我らが(?)インドネシア、シンガポール、タイ、マレーシア、フィリピン、ブルネイ、ベトナム、ミャンマー、ラオス、カンボジアという国です。これらを合わせた人口は6億人を超え、何と28ヶ国で構成されているEU(6億人弱)よりも人口が多い構造になっています。

世界第四位の人口大国(約2.5億人)であるインドネシアのウエイトは当然大きいのですが、フィリピンの約1億人、ベトナムの0.9億人、タイの0.7億人、ミャンマーの0.5億人もかなりのウエイトを占めています。ましてやEUと異なり、これらの国々の平均年齢はおしなべて若いですから、やはり次はアジアの時代、と言われ、人口で筆頭格のインドネシアにも外資企業が押し寄せてきています。人口は消費を呼びますので、一時的に現在のインドネシアは昨年ほど元気がありませんが、長期で見た時の有望性には揺るぎが無いと思います。

アセアンは1967年に発足しているそうですが、インドネシアは設立時からのメンバーです。別な角度からの写真は下記の通りで、看板にもASEANと書かれています。


ちなみにこのすぐ側に位置するスナヤン(=地名)の青年の像の写真もアップしておきます。あぁ、これかぁ、と思われた方も多いと思います。ここは今、ホットな場所で2018年に完成するMRT(インドネシア初の地下鉄)のトンネル採掘機がここから、始まっているそうです。日本の建設会社では清水建設や大林組等が参画しており、日本の技術力での地下鉄工事が無事完成することを祈っています。毎年、洪水(インドネシア語で`バンジール`)が起こるのに、地下鉄で(浸水は)大丈夫?という超素人的な発想もありますが、当然、そんなことは考えている訳で、うまいことできているのだと思います。

この南北線はホテルインドネシアのロータリー前から、レバックブルス迄の約16Km(中央ジャカルタ~南ジャカルタ)がまず開通する予定だそうです。その後、ホテルインドネシアのロータリー前から、北ジャカルタのカンプン・バンダンの中央~北部路線、約8Kmができるそうです。これができると皆が苦しんでいる交通渋滞(一説によるとジャカルタの交通渋滞は世界最悪らしい)が大いに改善されると期待している一方、オジェック(バイクタクシー)やバジャイ(3輪タクシー)やタクシーの需要は減らないだろうか、と余計な事も時々心配してしまいます。私が思うに、インドネシア政府の大きな関心事の一つは増え続ける人口に対して十分な仕事を与え、治安を維持することだと思います。仕事があって、貧乏な状態はまだ良いのですが、仕事がなくて貧乏だと矛先は政府の経済運営に向きます。過去、インドネシアでは経済問題に端を発する暴動も発生しているだけに、ここは難しいところだと思います。とはいえ、MRT(地下鉄)ができれば、たくましいインドネシア人の事、それに付随した色々な商売もでてくると思います。
青年の像の周辺はこのように工事の為の柵も張り巡らされ、一時的には交通渋滞に拍車をかけています。日本と違い、まだまだバイクも多く、車の直前を横切ったりと、危険な運転でひやっとすることもあるのですが、それでもバイクの多い風景はそれだけで活気を感じます。ちなみに、以前、訪問したベトナムはインドネシアどころでは無い数のバイクでした。モータリゼーションは価格的にこなれている二輪車から始めるのが世の常ですが、どこか心の中に、あまり均質な世界にならないで、今の活気を持ち続けて欲しいな、という我儘な思いもあります。

綺麗な南ジャカルタを離れて、北ジャカルタの裏道を行けば、未だこんな感じの状態です。密集した商店街、多数のバイクと喧騒、これぞ東南アジア、という感じで私はこういった風景も好きです。インドネシアの人々は個々人を取れば、どのような職業の人でも、おしなべて、おとなしくて紳士な人が多いです。この気質は大陸の東南アジアの他国とは少し異なっており、素晴らしいと思います。少しいい加減なところ、レストランで売り切れ(インドネシア語でハビス)が多い、時間にも少しルーズなところなど、日本とは違ったところもありますが、それはそれである意味、楽しめます。仕事ではちょっとイラッと来ることもありますが、愛すべき人達で憎めないところです。

親日国ということもあり、インドネシアは治安等に注意しておけば、とても過ごしやすい国です。



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